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アフガン・ハウンドってなに?
或時はアリクイ、そしてヤギ、果たしてその実態は!!!
アフガンの事を知りたくて読んだ本の数々です
内容 (各内容をクリックすると詳しい説明へ) |
参考書籍 |
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T | アフガンハウンドの起源 | グルーマー No.12 1994 福山英也氏/ペットライフ社 |
U | アフガンハウンドの起源/歴史的絵画 | AKC Video Series(AKC制作ビデオより) |
V | 歴史・発祥の地(大野淳一氏) | 犬種別シリーズ・アフガンハウンド 1980年/誠文堂新光社 |
W | イヌの毛色図鑑 | グルーマー No.12 1994 池田昌弘氏/ペットライフ社 |
X | 犬を知ろう/犬種紹介 | 犬の医・食・住 97/98年版 - どうぶつ出版 |
Y | グルーミングの注意点 | グルーマー No.12 1994 藤本孝一氏/ペットライフ社 |
Z | アフガンのスタンダード・アメリカの系統・変化するアフガンの系統 | グルーマー No.12 1994 藤本孝一氏/ペットライフ社 |
[ | The Afghan Hound | AKC Video Series(AKC制作ビデオより) |
T. アフガンハウンドの起源
アフガンハウンドは、哺乳動物中の最大な品種数850種を数えるイヌの中でも,、最古の品種とされている。このイヌの存在が知られたのは、スエズ湾とアカバ湾との中間にある小さな半島にある、モーゼと呼ぶ山の脇にあるジュベル
ムサ(JEBEL
MUSA)である。この地は、ヘブライの人達にもキリスト教徒にとっても聖地であり、エホバがモーゼに十誡の平板を渡した地としても有名で、古代エジプト領の一部である。
アフガンハウンドの起源と見なすべき書き物は、3000〜4000年以前の物と考古学的な推察がなされている。この記録によれば、このイヌは猿面のイヌCYNO
CEPHALUS(サイノ
シェパルス)と呼んでいるとある。サイノとは古いギリシャ語のイヌを意味する言葉である。
この地は岩だらけの荒山で、猟犬の第1条件が岩を次々に飛び越えることに耐えうる骨格構成であり、砂漠でゲームを追うときは頭を高く揚げて視覚によりゲームを捕らえるサイトハウンドであり、馬上からイヌの働きがわかり易いように、行動中は尾を高く上げる事が要求され、長い歴史の中に今日のアフガンの骨格が固定され、よくこの実用性を保ち続けている貴重な品種である。
また、不思議な様式の植生を持つ被毛は、昼は+40℃にも上昇し、夜間は−20℃以下にも低下する過酷な気象状況に耐え得る覆いへと進化した結果であり、決して人々の目を楽しませる為の衣飾ではない。同じように、過酷な気象条件に生きるチベットのヤクと呼ぶ動物の被毛のあり方とアフガンの被毛の条件が一致していることを見ても理解できよう。
@サイノという文字は犬とあるが、厳密には「ヒヒ」という説もある。 A「Cynocephalus=サイノセファラス」ともいう |
U. アフガンハウンドの起源/歴史的絵画
この犬種の起源については、ほとんど知られていないが、グレーハウンドと同様に中東とインドにその起源を求める事ができます。18世紀には、英国で出版された本の中に、この犬種がでてきます。
19世紀末、アフガニスタン・インド戦争が起こり、英国の兵士がこの犬種を英国へ持ち帰った。1920年代、英国や米国でもこの犬種が繁殖される様になり、1926年AKCでの登録が始まりました。
1989年AKC制作ビデオ(The American Kennel Club Video Series - Afghan Hound)よりの引用(日本語翻訳、淡島泉氏) |
V. 歴史・発祥の地
アフガンハンドは分類上、視覚ハウンド(Sight Hound)であるグレイハウンド族に属するが、世界の犬種のなかでもっとも古い犬種の一つで、数世紀の間、タイプをまったく変えることなく現在に至っている。
原産地は、その犬種名が示すように西アジアのアフガニスタンである。この地方は昔バクトリアと言ったが、紀元前7世紀ごろにはマジャール人により統治されたことがあり、以前はペルシャの領土で、16世紀にインド領となったが、1747年に独立し、また、1881年にはイギリス領となった。しかし、1919年に独立した変還の歴史がある。
地理的に北はソ連、東の一部は中国とカシミール、南はパキスタン、西はイランに接する内陸国である。したがって、北は中央アジア平原につらなり、また、西はイラン高原に接している。
また、現在、アフガンハウンドとして知られるタイプの犬の発祥の地は、スエズ湾とアカバ湾の間のシナイと称される小半島のジェベル・ムーサの近くか、モーゼ山の辺であると言われる。この地域は、長い間ヘブライ人とキリスト教徒により神聖犯すべからざる−−−旧約聖書によると、モーゼがエホバから十戒を授けられた−−−ところで、紀元前3000〜4000年ごろ古代エジプトに属しており、当時、アフガンが存在した事実がパピルス紙に初めて記されているということが伝えられるが、なにぶんにも、古いことなのでやや疑問視する向きもある。
イギリスの古代学者H.ブラックストン少佐はサイノセファラス(Cynocephalus)と言う文字を、犬と翻訳したが厳密には「ヒヒ」で、意訳すれば「サル顔のハウンド」である。それは、結局、古代エジプトの墓で発見した犬の絵がヒヒを連想させるアフガンハウンドの頭部に似ていたことにもとづく。
このように、古代エジプトの墓やパピルスの記録によって、アフガンハウンドは王族の間に猟犬として高く評価され、シーク砂漠で組織的に近代発達したと推定される。また、ナイル川の谷にある古代の墓にその姿が描かれているのは、古代エジプトの首都メムフィスの王国やシークの族長に贈られた犬であったことを意味するが、「サル顔の犬」のあだ名で皇子たちのペットであったと考えられる。そして、考古学者は古代都市の周辺で、彼らの遺骨を発掘できなかったのは、この犬はその環境で栄えた犬でなく、たまたま富と土地を持つ王族の所有した犬で、元来はシナイの犬であったからである。
大英博物館のアテネ人館に、紀元前6世紀に作られた「戦士の出征」と題する絵のある織物があり、それには尾に飾毛をもつアフガンハウンドに非常にご酷似したグレイハウンドの変種が描かれている。これは彼らの祖先を知る有力な手がかりとなるが、どうやら当時、古代ギリシャにも存在したらしい。
アフガンハウンドは数千年前から中央アジアで発達してきた原始的なコーシング・ハウンド(Coursing
Hound)、すなわちウサギなどの獲物をハイ・スピードで捕らえる猟犬で、グレイハウンドに似ているが耳や尾に飾毛のあるサルーキーは、このコーシング・ハウンドの子孫でないかとの説もあるけれど、これと逆にサルーキーがアフガンハウンドに変貌したとの説もあり、この点は不明である。
W. イヌの毛色図鑑・アフガンハウンド
ノアの方舟に乗ったと伝えられるこの犬は、独特な容姿と美しい長毛に覆われ、この犬ほど絵や彫刻のモデルとしてふさわしい犬種はありません。
この犬種の美しさは、大型犬でありながら、長く柔らかい絹糸状の毛質が優美さを強く印象づけています。毛色は多種多様で、特に欠点となる毛色の指定はありません。
一般的に多く好まれる毛色も、かなりバラエティーが豊富です。ブリンドルやトライカラーのものもあり、さまざまな色調になります。アフガン・ハウンドの特徴としてドミノカラーと呼ばれるものがあります。同様の模様はシベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートにも見られますが、顔の逆マスクのことをいいます。
ブラックマスクとは反対に、マズルから両目の上を半月形に白斑が広がり、頬から咽喉部に達し、別名ドミノアフガンともよばれます。
アフガンの毛色:
ブラック&タン、ブラック&シルバー、ブルー、クリーム、ブリンドル、レッド(顔色が黒はブラックマスクレッド)、ドミノ
ノアの方舟説 : アフガンの恰好が「ノアの方舟」に似ているので、方舟の犬だといわれるようになったという説もある。 |
X. 犬を知ろう/犬種紹介/アフガンハウンド
特徴・性格 |
とても華麗な犬。もとは猟犬だが今では猟犬の性質はあまり残っていない。 賢い家庭犬になれるが、根気よくしつけないとうるさい番犬になる。 |
飼育ポイント | 室内飼育が望ましく、戸外で飼うには、室内のそれと同じような犬舎が必要。 訓練性能は低いので、ある程度のところで妥協すること。高望みは禁物。 手入れは非常に大変で、暇のない人、ものぐさな人には向かない。膨大な運動が必要で、太りやすい。食事に気を配ること。 |
かかりやすい病気 | クル病、股関節形成不全、皮膚病、内臓の病気全般に注意が必要。 |
原産国 | アフガニスタン |
体高 | 雄68〜73cm/雌63〜68cm |
体重 | 雄約27kg/雌約23kg |
備考 | 被毛の手入れと十分な運動量が必要。 |
自分で獲物を探し、狩りをする犬。特徴は、目が良い・足が早い。学習能力は低く・3歳くらいまで被毛の手入れに泣く。 |
Y. グルーミングの注意点
アフガンハウンドだからといって、他の犬種とグルーミング方法が違うということはなく、やり方は一緒だ。ただし、注意したいのは、ドライヤで乾燥させるときは、ピンブラシで毛が生えている方向、上から下へピンブラシにからませ、伸ばすようにしながら乾燥させる。そしてこれ以上乾燥できないくらい徹底して乾燥させるのが、リンスの効いたきれいな仕上がりとなるコツである。
また、ピンブラシで乾燥した後は、金ぐしで毛の根元からきれいにとかす。アフガンハウンドのペットカットといっても、アフガンハウンドらしくないカットをしているというのはそれほどないのが現状だ。ペットで飼っている場合でも、それほどカットはされていない。
ただし、ペットカットの多くは、足の先の毛を丸くカットするが、アフガンハウンドの場合は間違ってもカットしてはいけない。ペットショップの多くが足先を丸くカットしてしまうのだが、ペットでも自然にしておいたほうがいいのである。
[. The Afghan Hound
■はじめに
この犬種の一番の特徴を表現するのに、貴族という言葉はふさわしい。威厳と気品(超然)に満ちている。誇り高く頭をもたげ、眼は過ぎ去った日々を思い出しているかの様に遠くを見つめている。この犬種の最大の特徴は、エキゾチックで東洋的な表情、長い絹糸状のトップノット、変った被毛のパターン、大変目立つ賓骨、大きな足、ふさふさした毛。このような特徴のおかげでアフガンハウンドは昔から犬の王座の地位を占めてきた。
■サイズ |
雄 |
雌 |
体高 | 27インチ(68.6cm)±1インチ | 25インチ(63.5cm)±1インチ |
体重 | 約60ポンド(27.2kg) | 約50ポンド(22.7kg) |
アフガンは骨量のない細い犬種ではない。また、歩様やキャラクターも重要である。 |
■頭部
ほどよい長さで、且つ洗練され、頭蓋と顔とのバランスがとれているのが好ましい。鼻にはかすかな隆起があって、ローマン・ノーズになっている。鼻から目までは中心線が引かれ、それが目の直前で2つに分かれはっきりした顔つきをつくりあげている。途中のストップはほとんど判らない。下顎はがっしり力強く、顎全体は長くて鋭い。後頭部はかなり突出しているが、頭上には長い絹糸状の冠毛があるので気にならない。
マズルとスカルがほぼ等しくバランスが取れているのは正しい。マズルは長くて鋭い顎によって特徴づけられている。マズルは鼻端に向かって先細っている。粗野で卑しげなマズル、また細すぎるマズルは欠点である。
■歯
大きく力強い歯と力強いかみ合わせは重要だが、狩猟用サイトハウンドでは強調されるべきではない。レベルバイトとシザースバイトが認められている。歯は、きちんと並んでいるべきであり、オーバーショット、アンダーショットは欠点である。狭い歯、浅い歯、悪い歯並びは欠点である。
■目
アフガンハウンドの目はアーモンド型で、ほとんど三角形である。突出せず、色は濃く暗色である。目のセットは深い。前望すると、アフガンハウンドはごく間近な物に目の焦点を合わせている。この様子がエレガントさを生み出す。正しい目の型・色・セットが典型的なアフガンハウンドの表現力を作り出す。すなわち、気品(超然)と威厳である。
■ネックとボディー
首はほどよい長さで頑丈であるのが好ましい。アーチ状のカーブを描いて、長くなだらかな肩やしっかりした背へとつながっていく。
力強くアーチした首は、サイトハウンドに共通したものである。水平でしっかりした背と筋肉のついた首は、この犬種の特徴的な側面を形成する。短く太い首、ガチョウのような首、貧弱で頼りない首は欠点である。首廻りの厚い被毛は、実際よりも首を短く見せる。
肩は充分レイバックし、上腕も同じ長さと角度をもつ。肩甲骨からパッドまでが一直線になるような角度が望ましい。アフガンハウンドはスクウェアな犬種であり、体高=体長である。高く頭部を保持し、しっかりした強固な背はほぼ水平で胸も深く、リブも深くよく張っているのが好ましい。
スタンダードでは書かれていないが、キ甲のすぐ後ろがやや低くなっているのは脊椎が方向を変えるためで、スウェイ・バックではない。
■尾
尾は、先が丸まったりカーブを描いている。多重にまいたり、背中についたり脇にそれたりしてはいけない。毛のありすぎるのもよくない。犬が動いているときは、尾は高く保持されるべきである。犬がステイの状態の時は、高く保持されなくともよい。
■後望(パッド)
後足は幅広く、足指はアーチ状で長く、長い毛に覆われている。前足や後足の先が外向き、または内向きのもの、足が小さすぎるもの、あるいは足の弱さを示しているその他の徴候は欠点である。
■側望
アフガンハウンドの被毛は自然の状態におくのがよい。トリミングやクリッピングはすべきではない。成犬になっても鞍部に短い毛がないものもある。ある犬は6ヶ月で鞍部が短毛になり、ある犬では2.5才でも短くならない。それを不安がってハサミを入れて鞍部に手を入れるのは正しくない。
成犬になると、被毛・毛質が変ってゆく。審査員はそのことを理解し、年齢の変化とコートの変化の関連を知らねばならない。
■色
被毛の色は、全ての色が許される。但し、はっきりした色、コンビネーションの良い色の混合が好ましい。頭の上にホワイトの斑があるのは好ましくないが、胸の小斑は許される。
■歩様
アフガンハウンドの歩様はスタイルがあり美しい。自然に走らせるとギャロップで走り、なめらかで力強い大股で柔軟に走る。アフガンハウンドはもともと、小丘陵や小石の混じったところを、または雨ですべりやすい所をうまく走り抜けるすべや敏捷さを伴って獲得してきた。
敏捷性は外見上だけでなく、この犬種の本質を示すものである。トロッティング歩様は、スプリングする様にリズミカルで柔軟性がある。
リングでトロッティングするときは、リードを緩め頭をUPし、テイルを上げ、前足の残した足跡の上に後足をもっていく。貴方の方に向かってくる犬を見ると、前肢はスピードが上がるに従って、中央の一直線上に集てくる。
後方からみても後肢はスピードが上がるに従って、中央の直線上に集まってくる。また、後肢は尻からパッドまで一直線となる。バランスのとれたアフガンハウンドのトロッティングは、前肢・後肢ともバランスがとれて中央の一直線に集まってくる。アフガンハウンドの歩様=バランスの集合である。
■性格
アフガンハウンドは、超然として独立自尊の風がある。シャイや攻撃性は欠点である。超然としていて威厳がありしかも楽しげである。
1989年にAKCが制作したビデオ(The
American Kennel Club Video Series - Afghan Hound)よりの引用(日本語翻訳、淡島泉氏)。Official
Standardの解説ビデオ。長いので抜粋して掲載。 1948年9月14日に承認された Official Standard、この標準は今尚、アフガンのNationalや Specialtyがある度に、ショープログラムの中に記載され続けているものである。大変古いが、勉強になる。 |