「告発サイト作成の秘訣」
(ただし、これは全くの個人的体験に基く個人的見解であることをお断りしておきます)


なんだか偉そうなタイトルになりましたが、ここでは私が1999年8月17日に
「悪徳警察官撲滅委員会」というHPを開設して11月30日に閉幕するまでの
3ヶ月間で感じた事、教訓になると思う事を思いつくままに書き連ねてみたい
と思います。




(1)相手組織の論理を逆に利用する
私の場合、相手は警察でした。警察とは秘密主義の組織です。
意味のないことまで秘密にしたがります。一般人からみると不思議なくらいです。
しかしこの警察の秘密主義が、私のHP運営の展開に有利に働きました。
私はサイトで架空の傷害事件をでっちあげられたと主張してきました。
事実、私は誰にも怪我を負わせた記憶などないからです。
だから訴訟も起こしました。しかし法廷でも、警察は診断書の提出すら拒んできました。
傷害事件の犯人とされた本人が、その証拠となる診断書すら確認できない。
こんな不条理なことがあっていいものでしょうか?
しかし、こうした警察の態度は、HP運営に逆に有利に働きました。
この態度あってこそ、胸を張って「架空の傷害事件」だと主張出来たわけです。
また個人からの問い合わせなどで組織は、よく木で鼻をくくったような態度に出たり、
黙殺したりといった態度に出がちです。これも告発サイト運営には有効に活用できます。
私のHPは関係者の実名を公開したという箇所に特色があり、また危うい面もあったのですが、
これは事前に「関係者は実名を出しますよ。問題ないですか?」と問い合わせていました。
そして当局がこれを黙殺したおかげで、私は弾圧を受けることなくHP運営が出来たわけです。
後から当局が言いがかりをつけようにも、私から次のように言われれば一発で終わりでしょう。
「じゃあ、なんであの時きちんと答えてくれなかったの?違法だと言われればしなかったのに」
私は相手の黙殺という態度をうまく利用して、相手が何も出来ない政治的状況を作り出しました。
相手組織が黙殺という態度に出てきたら、それはきっとあなたにとっても有利に働くでしょう。



(2)掲示板設置の是非について
あなたが本当に理不尽な体験をしてしまい、これを真剣に訴えた場合、
掲示板を設置すれば多くの人達から暖かい声援を贈ってもらえます。
正直言ってとても感激します。嬉しいです。私だって感激しました。
しかし必ず異議を唱えてくる人も出ます。批判的な書き込みもあるでしょう。
掲示板を設置するからには、そうした人達も公平に扱う必要があります。
きちんとした言葉で批判してくる人たちは、真っ当な人達なのでむしろ歓迎すべきです。
ただ世の中には、真面目に議論しているのを妨害して楽しむ人達がいます。いわゆる荒らし屋です。
私の掲示板も被害に遭いました。こうした場合、まずどの段階で「荒らし」だと判断するかが大切です。
「おら!」「こら!」といった暴言を容認する人もネット上にはいるようですが、私は容認しませんでした。
私は「現実で許されないことはネット上でも許されない」という立場で荒らし屋に対処しました。
なかには「言葉使いは乱暴だが言ってることはまとも」などとたわけたことを抜かす者もいましたが
「おら!」なんて言葉で切り出してくるような者など、私にも初めから相手にする義務なしと考えました。
どの程度を許容範囲をするかは各個人次第ですが、あきらかに茶化したり挑発したりしてくる者は、
荒らしと判断して、さっさと投稿削除してかまわないでしょう。いちいち内容など読む義務もありません。
しかし荒らし屋に目を付けられたら、とりあえず掲示板は閉鎖するしかないようです。
以上のように掲示板運営はHPに活気が出ていい反面、ややもすると管理に疲弊してしまいがちです。
正常な状態でも、活発な議論が展開されればされるほど、レスしきれない状況に陥ります。
無理にレスを付けようとすれば、それこそ日常生活を大きく犠牲にするほど労力がかかるでしょう。
またレスをしないでいると、投稿者も「どうして答えないんだ」と詰問口調になってきたりします。
超然主義を取るか、逐一対応主義を取るか。難しい選択に迫られることになります。
ちなみに私は、通常の生活に支障をきたしたくなかったので、基本的に超然主義を取りました。
以上のように掲示板の管理は大変なので、その覚悟があって初めて設置すべきでしょう。
しかし、特にHP開設初期は色々新鮮な意見を聞けるので、掲示板はあった方がいいと考えます。
***
なお災難にも荒らし被害にあってしまって、荒らし屋に責任を取らせたいという段階になったら、
私のように荒らし屋たちのIPを公開して情報提供を求めるしか方法はないようです。
(IP公開という行為自体は何等法律に抵触するものではないはずです)
情報はすぐには集まりませんが、気長にIPを放置していれば有力な情報が来るかも知れません。
11月27日〜30日公開の「荒らし狩り戦記」の閲覧者なら、勤務先に抗議したり顔写真を公開したりと
私がいかに苛烈な反撃をしたかがわかるでしょう。気長に待てばここまで出来るのです。
私の場合の荒らし屋たちは荒らしの常習犯だったそうですが、彼らの間には大きな爪跡を残しましたし、
少なくともこの一団が、今後荒らしを繰り返すことはないと確信しています。
(彼等にとっても、私ほどの猛烈な反撃は初体験であり、かなりの衝撃を受けたことでしょう)
参考までにIPの発信先を調べられるHPを紹介しておきます。
IP・ドメインSEARCHV



(3)どこまでやるか事前に線引きしておく
最初にどこまで進んで、どこで手を引くかを自分の中で決めておいた方がいいと考えます。
周囲の熱気にのぼせ上がっては、自分を見失い、実生活に悪影響を及ぼすからです。
例えば私の場合は、私を脅迫した警察官の辞職を公然と求めていましたが、
実際問題としては、そんなことが実現できるとは実は考えていませんでした。
せいぜい世論を盛り上げて苦しい立場に追いやるくらいが現実で出来る範囲でしょう。
少なくとも、そうした点においては私は極めて穏当な現実主義を取っていたと言えます。
しかし、私がのぼせてしまって、ずっと何年もHPを運営し続けていったらどうなっていたか。
多分完全に疲弊してしまって、自分の実人生に大きな支障をきたしていたでしょう。
私の場合は、期限は今年(1999年)いっぱいまでで2000年までは引きずらない。
あくまでネット上で多くの人に自分の体験を訴えていくに留める。現実の運動まで拡張させない。
以上のような線を自分の中で事前に引いてから、HPを開設しました。
しかし周囲はあなたを煽るかも知れません。野次馬根性で「もっとやれ!」と叫ぶ人もいます。
しかし、そういう煽りに乗ってしまっては、あなたの人生は台無しになってしまいかねないのです。
ネットは所詮ネットです。現実の生活があっての我々なのです。
そうした観点で、ネットにのめり込んで、現実を犠牲にすることにないようにして欲しいものです。
もちろん告発HPを開設するからには、何がしかの怒りを抱えている人たちなのでしょうが、
そのために自分の人生そのものまで蝕んでしまっては、それこそ敗北だと私は考えます。



(4)自分の個人情報には慎重になる
注目を浴びるような告発HPを運営していると、開設者が誰なのか知りたがる人も出てきます。
まっとうなマスコミ取材者ならまだしも、悪意から身元を調べようとする者も当然出てきます。
だから自分の個人情報については完全に匿名性が保持されるよう最大限の用心をすべきです。
もし告発案件が訴訟をしている事案だったら、すぐに裁判所に申請して「訴訟記録閲覧制限」を
しなければなりません。悪意で訴訟記録から身元を知ろうとする者が出て来る可能性があるからです。
(氏名を伏せているという時点で裁判記録から私の素性を知ることは不可能なのですが、念の為に
私も掲示板荒らしにあった頃に不安を感じて、第三者が閲覧出来ないように「閲覧制限」を掛けました)
また私の例で言えば、マスコミ取材者を装って個人情報を聞き出そうとした者もいました。
某大手新聞社を名乗り、取材をしたいのでとりあえず氏名・住所・電話番号を教えてくれと
メールで書いてきました。しかも奇妙なことに、そのアドレスはmail.gooのフリーアドレスでした(笑)
実はすでにその新聞社の記者からは取材が来ていて、メールのやり取りで質問に答えていたので、
明らかに怪しいと思い、その新聞社に問い合わせたら、そんな者は社内にいないとのことでした。
こぼれ話になりましたが、そんな輩もいるのです。くれぐれも用心してください。
私は自分の個人情報を守るためにマスコミ取材者に対しても終始警戒的な態度で臨みました。
本名を教えた取材者は一人もいません。取材者にとって、私の姿は極めて冷淡に映ったことでしょう。
私ほど神経質になる必要はないのかも知れませんが、用心するに越したことはないと思います。



(5)そもそも告発HPなど作る羽目に陥らないようにする
実はこれが最も大切なことではないでしょうか。
平和に誰も告発することがなければ、それに越したことはありません。
むろん被害にあったら泣き寝入りをしてはなりません。
泣き寝入りは、あなたの人生に敗北と屈辱の汚点を刻み付けることになり、
いつまでもずきずきとあなたの魂を痛め続けていくからです。
大切なことは最初から被害者にならないようにすることです。
中世イタリアの思想家・マキャベリは次のように述べています。
「天国に行くための最も確実な方法は、どうすれば地獄に落ちてしまうか知り尽くすことである。
そうすれば地獄に落ちることを避けることが出来る」
あなたが何かの被害者になる前に告発HPに興味を持てたことは幸いだと言えるでしょう。
様々なトラブルの実例を目の当たりにすることによって、学習することが出来るからです。
そんなあなたのために、以上の私の駄文もわずかでも役に立てば光栄の至りです。